緑黄色野菜の中でも特に栄養価の高い「ほうれん草」。
私もほうれん草のおひたしが大好きです
旬の時期である12月~1月頃はスーパーでも多く並びますよね。
特に冬採りのほうれん草はビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、貧血予防や美肌効果なども期待されるよ。
栄養価の高い食べものですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか?
我が家はドッグフードに混ぜて調理した野菜やささみをあげているのでほうれん草はあげても良いのか気になるところ。
そこで、獣医さんに詳しく聞いてきました。
結論からお伝えすると、犬にもほうれん草は与えてもOK。
ただし、気を付けないといけないことがあります。
その点についてもしっかりと伺ってきましたので詳しくお伝えします。
・ほうれん草の栄養素・犬に与えるメリット
・ほうれん草は生で与えても大丈夫?
・犬にシュウ酸は危険!
・茎や根は食べても大丈夫?
・どれくらいの量なら与えてもいい?
・ほうれん草を使ったおすすめレシピ
愛犬にほうれん草をあげていいか迷っているみなさん。ぜひこちらの記事を参考にしてね。
- 鉄分
- ビタミン
- βカロテン
- その他
など、数多くの栄養素が含まれています。
愛犬にほうれん草を与えるメリットについて1つ1つ詳しく見ていきましょう。
鉄分
鉄が不足すると、貧血の要因になります。
ほうれん草には、100g当り2mgと多くの鉄が含まれていて、健康な血液を作る手助けをします。
ビタミン類
ほうれん草にはビタミンCが多く含まれています。
特に旬である冬は夏に比べても栄養価が高まります。
ビタミンCは、皮膚・被毛の健康、免疫力アップ、病気の予防効果が期待できます。
また、ほうれん草に含まれるビタミンEには、抗酸化作用があります。
他にもビタミンB群やビタミンKには、エネルギーを生成したり、炭水化物・タンパク質・糖の代謝によってエネルギーを生成する、骨を丈夫にする効果が期待できます。
ドッグフードの多くは、これらの栄養素が含まれているものも多いので栄養不足を心配する必要はありませんが、手作りご飯の方はほうれん草でビタミンを補うのも良いかもしれません。
βカロテン
ほうれん草は、βカロテンが豊富に含まれます。
活性酸素の発生を抑える・取り除く、健康な皮膚や被毛、歯を丈夫にするなどの働きがあります。
ほうれん草は犬に与えても大丈夫?気を付けることは?
ほうれん草は犬に食べさせても大丈夫です。
ただし、注意することがあります。
生のまま与えるのはだめです。
その理由は、ほうれん草に含まれている「シュウ酸」が原因です。
犬がシュウ酸を口にするとどうなるの?
ほうれん草は、環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」の中で「注意が必要なもの、与えすぎないほうがよいもの」に分類されています。
生のほうれん草には「アク」と呼ばれるシュウ酸が多く、シュウ酸カルシウム尿結石や尿路結石の原因となる可能性があります。
尿路結石となると、尿が出にくくなったり、膀胱に傷がついてしまったり、排泄時に痛みを伴い排泄することが困難となり、ひどい場合は死に至ってしまうとても怖い病気です。
腎臓病を患っている犬や尿路結石の症既往がある、罹患歴のある犬には、ほうれん草を与えないほうが安心です。
引用元:厚生労働省の委託事業によりウェブサイト「Mindsガイドラインライブラリ」
上記の表を見て頂けるとわかるように、野菜の中でもほうれん草はシュウ酸が特に多く含まれています。
100gあたり、ホウレンソウは含有量は約800mg。
他の野菜に比べて圧倒的に多いですね。
ほうれん草には苦味やえぐみがあるため、犬が大量に食べてしまうことはないかもしれませんが、保管方法には気をつけましょう。
少量であればすぐに危険な症状が出ることはありませんが、必ず茹でてから与えるようにしましょう。
シュウ酸は水溶性なので,茹でることでシュウ酸をある程度減らすことができます。
ほうれん草シュウ酸の取り除き方
ほうれん草は生で与えるのはNGですが、アク抜き(茹でる)することでシュウ酸をかなり減らすことができます。
その為、犬に与える場合は、必ず茹でてアク抜きをしましょう。
公益財団法人日本医療機能評価機構」の発表によると、ほうれん草を3分間お湯で茹でるとシュウ酸を37%〜51%除去できるとされています。
茹で時間についてですが、「沸騰した湯に入れて2~3分程度」にしましょう。
2~3分茹でることで、ほうれん草に含まれている水溶性ビタミンのほとんどが壊れてしまいますが、脂溶性ビタミンは残ります。
茹で上がったら、水にさらし、しっかりとシュウ酸を取り除きましょう。
また、食物繊維の消化を良くするためにほうれん草は細かく刻みましょう。
①ほうれん草はしっかりと洗って泥や汚れを取り除きます。
②沸騰したお湯にほうれん草を入れ2~3分茹でます。
③その後、取り上げ冷水に浸します。
④食べやすく消化しやすいよう細かく切ります。
ほうれん草をゆでた後のゆで汁には、シュウ酸が混ざっています。
このゆで汁は、犬に与えないようにしましょう。
電子レンジで加熱したあと、水に晒しておくことでもシュウ酸は除去できます。
ただし、茹でたときほど多くの除去はできないので、茹でることをおすすめします。
ほうれん草の茎や根は犬に与えても大丈夫?
茎や根はきちんと洗って、茹でればあげても良いです。
ただし、茎や根っこの部分は硬いため、喉につまならないように細かく刻んで与えましょう。
ほうれん草を犬に与える時の適量は?
身体に良いからと言って与えすぎるのはよくありません。
食べ過ぎると下痢の原因になるので注意しましょう。
ここでは、ほうれん草を犬に与える時の適量について確認しておきましょう。
1日に犬に与えるほうれん草の量
犬にほうれん草を与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。
また、犬の年齢や健康状態によっては、特定栄養素の過剰摂取につながることもあるので注意しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安 小型(2~5kg) 104g~208g(0.5束~1束) 中型(6~15kg) 238g~474g(1.2束~2.3束) 大型(20~50kg) 588g~1170g(3束~5束) ※ほうれん草1束2004gとして算出
※数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出
引用元:いぬの気持ち
ほうれん草を与える際には、調理時にシュウ酸対策を行い、与え過ぎないよう注意が必要です。
きれいに洗えば、赤味のある根本の部分まで与えても大丈夫です。
初めてほうれん草を与えるときは、少し与えて体調に変化がないか確認してみましょう。
ほうれん草を使った犬用レシピ
ほうれん草の下処理(アク抜き)をしたら色々なレシピを作ってみましょう。
チキンとほうれん草のリゾット風
・鶏ささみ
・ほうれん草
・にんじん
・炊いたご飯
・豆乳
・粉チーズ作り方
1.鶏は角切り、人参、ほうれん草は細かく切る。
2.厚手の鍋にオリーブオイル少々入れ、鶏、にんじん、ほうれん草をさっと炒める。
3.ひたひたの水を入れ、軽く煮たら、ご飯、豆乳、粉チーズを入れて軽く煮る。
4.粗熱をとってから器に入れ、粉チーズ少々ふる。
食べ過ぎ注意!下痢になる可能性がある
茹でてシュウ酸をある程度取り除いたとしても、毎日あげるのは避けた方が良いです。
食べ過ぎは消化不良を起こし、嘔吐や下痢につながることが考えられます。
くれぐれも気を付けましょう。
【まとめ】犬にほうれん草はしっかり茹でて刻めばOK!
今回は、犬にほうれん草の食べさせ方について解説しました。
ほうれん草は、栄養素が豊富含まれていますが、一方で犬の尿路結石の原因となる「シュウ酸」を多く含んでいます。
ほうれん草を食べさせる場合は、下処理(アク抜き)を必ず行いましょう。
2~3分は茹ですぎな気がしますが、シュウ酸が犬に与える影響を考えるとこれくらいの時間がベストです。
初めてあげるときは少量ずつ与え、体調に変化がないかしっかりみましょう。
また、毎日あげるのは避けましょう。
今回ご紹介したレシピは我が家のわんこ達にもあげたら喜んで食べていました。
おいしかったわん。
ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。