我が家のトイプードルきなこは1歳1か月の時に避妊手術を受けました。
通常は6ヶ月から避妊手術はできますが、きなこは骨格も体重も小さかったため、1歳過ぎるまで手術が見送りになっていました。
驚いたのは避妊手術が日帰りだったこと。
友人の通っているワンちゃんの動物病院では、避妊手術は2泊入院すると聞いていたので驚きました。
日帰りや1泊~2泊など病院によっても様々なようです。
きなこは「腹腔鏡手術」だったんですが、この手術方法は日帰りで帰れるそうです。
ちなみに開腹術の場合はほとんどの動物病院で入院が必要です。
のちほど詳しくお伝えします!
また、避妊手術にはメリットもありますが、全身麻酔のリスクもあるので正直悩みました。
我が家のように避妊手術をしようか悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
まずは、避妊手術について正しい知識を持って、手術するかどうかを判断する必要があります。
そこで今回は、犬の避妊手術について、メリット・デメリット、手術方法や手術費用について詳しく解説します。
さらに、きなこの避妊手術のお話しも後半でお伝えしています。
ぜひ、参考にしてワン!
避妊手術のメリット・デメリット
まずは、避妊手術の目的から見ていきましょう。
避妊手術の目的
①避妊
避妊手術を行うことで発情がなくなり、妊娠することができなくなります。
②病気の予防
卵巣や子宮を摘出するので、将来起こりうる可能性のある病気を予防することができます。
避妊手術のメリット
1 生理(ヒート)がこない・妊娠しない
犬の発情周期は、「発情前期」「発情期」「発情後期」にわかれます。
これらをまとめて「ヒート」と呼びます。
発情前期~発情期には、陰部からの出血が見られます。
これは1~2週間ほど続き、陰部から出血するため汚れないように多くはマナーパンツなどを利用します。
この生理(ヒート)は、生後6~10ヶ月ごろから始まり、個体差がありますが約半年に1回ほど見られます。
生理(ヒート)中は雄犬を刺激してしまうことがあり、望まない妊娠につながってしまう恐れもあるため要注意です。
避妊手術では、卵巣または子宮、あるいは両方を摘出するので、生理(ヒート)はなくなり、妊娠もしません。
2 乳腺腫瘍、子宮蓄膿症などの病気が予防できる
避妊手術することで、卵巣・子宮系の※将来起こりうる病気の予防ができます。
中でも「乳腺腫瘍」は初回発情前に手術することで99.9%予防できるといわれています。
※将来起こりうる病気とは、卵巣では、卵巣腺癌、顆粒膜細胞種。
子宮では子宮腺癌、平滑筋肉腫、子宮蓄膿症など。
避妊手術のデメリット
1 全身麻酔のリスク
避妊手術は全身麻酔をかけて行うので、手術中に心臓機能や呼吸機能の低下、麻酔薬へのアレルギーなどのリスクは避けられません
これらの症状を減らすために、手術前検査をする病院がほとんどです。
術前検査では、血液検査やレントゲン、エコー検査を行います。
2 妊娠できなくなる
繁殖に必要な臓器を摘出するので、生涯、妊娠・出産することができなくなります。
繁殖させたい場合は手術を受けないという選択になります。
3 肥満のリスク
避妊手術後は、食欲が増進して肥満になることがあります。
卵巣を除去すると生体に必要なカロリーが減少するため、体重が増加します。
手術後、フードの量を調整したり、避妊手術後は低カロリーのものに切り変えたりするといいでしょう。
きなこは手術後太りました!
他にも、合併症による尿失禁などのリスクもあります。
犬の避妊手術について
避妊手術を受けるタイミング
避妊手術は目安として生後6ヶ月頃、初回発情前がベストです。
なぜ?
なぜなら、先ほどの項目でお伝えした卵巣・子宮の病気予防は、初めての発情を迎える前に手術するのと、発情後に手術するのでは、効果が違ってきます。
個体差はありますが生後1年前後に初めての発情を迎えます。
特に、乳腺腫瘍の発症率は、避妊手術した時期に大きく影響を受けると言われています。
個体差がありますが、犬の初回発情はおおよそ6〜15ヶ月齢です。
これより早期の避妊手術が理想的です。
卵巣子宮摘出術を行った犬の乳腺腫瘍発生率 | |
初回発情以前 | 0.05% |
2回目以前 | 8% |
2回目以降 | 26% |
6ヶ月より前に手術はダメなの?
月齢が早すぎると、体力や臓器が小さいという問題もありますし、手術後に発育不良が起こる可能性もあります。
そのため、初回発情が起こる前の生後6ヶ月ごろがベストだと言われています。
発情中は、子宮や卵巣の活動が活発になり、手術中の出血リスクが上がるため、避妊手術は避けることが多いです。
避妊手術の方法
開腹術と腹腔鏡手術の2つがあります。
「開腹術」とはメスで腹部を切開します。
「腹腔鏡手術」は近年注目されている、手術方法の一つです。
腹部に約5mm小さな穴を2~3つ開け、小さな傷からお腹の中に腹腔鏡という器械を入れて行います。
「開腹術」に比べると傷口が小さいので、痛みや体への負担が少なく、早期に退院できることが利点です。
きなこは「腹腔鏡手術」を行いました。
「腹腔鏡手術」は、特殊な設備が必要なので開腹術に比べると費用が少し高めに設定されます。
避妊手術の費用
病院によって差があります。
また、開腹術と腹腔鏡手術によっても違いますがおおむね30,000〜70,000万円程度が多いです。
腹腔鏡手術を行うには、特殊な機器が必要です。
開腹手術よりプラス2万円位高くなります。
ただし、腹腔鏡手術のメリットは手術したその日に帰ることができます。
※体重・年齢・病気の有無などによって、費用は変動します。
補助金、ペット保険は使える?
犬の避妊手術に助成金が出る自治体もあります。
また、多くのペット保険は、避妊手術は病気ではないので補償対象からは除外されることが多いです。
ただし、治療目的の場合は、ペット保険で補償される可能性もあります。
入院期間【日帰りでも大丈夫?】
開腹手術では一泊入院することが多いです。
腹腔鏡手術だとぼぼ日帰りで手術で大丈夫だそうです。
なぜなら、開腹術に比べて傷跡も小さいので、痛みや体への負担が少ないからです。
避妊手術の流れ
1 動物病院へ受診
避妊手術を行う際には、実施したい動物病院への受診が必要です。
術前検査等で現在の健康状態を確認してから、手術を行います。
術前検査は主に身体検査や血液検査、レントゲン検査などを行います。
2 手術前日
手術前日の夜21時頃からはご飯を食べることができません。
3 手術当日
手術当日の朝、ごはんとお水は抜いて動物病院へ予約した時間に向かいます。
絶食絶水は全身麻酔による窒息や誤嚥性肺炎を防ぐために行います。
手術時間は手術方法にもよりますが、1時間~2時間くらいです。
4 自宅へ帰る
避妊手術は、腹腔鏡手術の場合は日帰りまたは1泊2日となることが多く、開腹術の場合は1泊2日もしくは2泊3日で退院となることが多いです。
術後のケアはとても重要です。
愛犬が傷口を舐め壊さないように、術創は、術後服やエリザベスカラーを装着し手術後の合併症に気を付けます。
これらは傷が治癒するまで保護します。
散歩開始は動物病院によって異なります。
5 抜糸
術創の確認と抜糸のために、手術から1~2週間後動物病院へ受診します。
動物病院で術創の治りを確認し、問題がなければ抜糸をします。
抜糸後は術後服やエリザベスカラーを外しても大丈夫です。
シャンプーやトリミングは、抜糸後10日程待ってから行うことをおすすめします。
また、手術後は太りやすくなります。
肥満になると糖尿病などの生活習慣病になりやすいので、低カロリーのフードに切り替えることをおすすめします。
避妊手術の病院選びのポイント
・手術費用
・腹腔鏡手術または開腹術どちらを希望するか
手術費用を抑えたい場合は、開腹術で行う病院に費用を問い合わせしましょう。
腹腔鏡手術は特殊な設備が必要です。
腹腔鏡手術を希望する場合は、腹腔鏡の設備があるか確認しましょう。
愛犬のために後悔のない選択ができるように、避妊手術についての疑問は獣医さんに聞いて納得した上で手術することをおすすめします。
我が家のトイプードルきなこも日帰りで避妊手術してきました!
我が家のトイプードルきなこは生まれた時から小さく、2カ月過ぎて540gしかありませんでした。
動物病院でも当初「初めて生理が来る前に手術をした方がいい」と言われましたが、6カ月の段階で体重は1.1キロしかなかったのと、乳歯がほとんど抜けていなかったので獣医さんからは、「1.5キロになるまで待ちましょう。」とおっしゃっていました。
避妊手術ができたのが1歳1か月、きなこが1.5キロの時でした。
その時も犬歯・乳歯は抜けなくて全部で9本抜きました。
また、小さい身体で全身麻酔して手術することにすごく悩みました。
きなこが避妊手術した動物病院は「腹腔鏡手術」だったので日帰りでOKでした。
手術前日の夜は夜8時までにごはんを済ませました。
お水は飲んでもOKです。
手術当日は食べることも飲むこともできないので、家中のお水入れを撤去しました。
お水も飲めないことに心配だったので事前に獣医さんに聞いたところ、「点滴するので朝水分をとらなくても大丈夫ですよ」とおっしゃっていました。
予約時間の朝9時に病院に行きました。
きなこは何かをさっしているのかブルブルと震えていました。
「大丈夫だよ」と頭を撫でながらきなこを獣医さんに預けましたが、きなこの「キュ~ン」という鳴き声に私が泣きそうになりました。
妻とも話していたのですがこの日の待ち時間がとても長かったです。
そして、18時に病院へきなこを迎えにいきました。
麻酔の影響なのか目が真っ赤でその日の夜は元気がありませんでした。
ご飯もほとんど食べなかったです。
夜も心配で何度も起きましたが、ベットの中で寝ていました。
次の日、ご飯を食べてくれました!
食べてくれない子も多いと聞いていたので安心しました。
目に力が出てきました。
術後2日目にはおもちゃで遊ぶようになりました。
きなこは院内で術後服を購入しました。
一番小さいXSサイズを着ていましたがズレて汚れてしまっため、急遽エリザベスカラーを買いました。
1週間後に傷の具合を獣医さんに見せにいきました。
順調とのことで安心しました。
傷口を見せてもらいましたが、糸が出ていたのでびっくりしました。
手術から14日後に抜糸しました。
費用ですが、手術は35,000円+乳歯・犬歯抜歯代12,000円=47,000円でした。
元気になってくれて本当によかったです。
赤ちゃんが産めなくなることがきなこにとって良いのか、正直悩みました。
妻ともたくさん話し合って我が家は避妊手術することに決めました。
きなこをお母さんにしてあげられなかったけど、でも我が家でずっとずっと大切にしていくからね。
きなこ、よく頑張ったね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、犬の避妊手術についてまとめました。
日帰りでも可能だったのは、手術方法が腹腔鏡手術だったからなんですね。
避妊手術は飼い主さんが納得して手術するか決める必要があります。
また、手術する場合も「腹腔鏡手術」にするのか「開腹術」にするのかよく検討することをおすすめします。
避妊手術について、不安や疑問がある場合は、信頼できる獣医師に相談しましょう。
犬の避妊手術について正しく理解し、納得できる答えを見つけることが重要です。